ヘアカラーは頭皮を弱らせ、薄毛リスクを高めるという結論

ヘアカラーは今や幅広い年代で日常的に行われています。
しかし、美容師歴の長い視点から見ると——

「肌の弱い方にとって、ヘアカラーは薄毛リスクになり得る」

という事実があります。

ヘアスタイルを楽しむ一方で、髪を育てる環境を守ることも大切です。
今回は、なぜヘアカラーが頭皮を弱らせ、薄毛に影響を与えるのかを分かりやすく解説します。


ヘアカラーの普及は進んでいるが、頭皮への負担も無視できない

近年は、若年層からシニア層までヘアカラーをする人が増え、その普及率は非常に高まっています。

とくに一般的に使われているのは、
脱色作用を持つ “アルカリカラー(酸化染毛剤)” です。

しかし、このアルカリカラーには以下のような特性があり、
肌の弱い人にとっては 薄毛のリスク因子 となり得ます。


① アルカリカラーは頭皮の水分・油分を奪い乾燥を招く

アルカリカラーの基本的な作用として、
キューティクルを開かせて薬剤を浸透させる という特徴があります。

しかしその過程で、

  • 頭皮のバリアである油分が奪われる
  • 保水能力が低下する
  • 乾燥 → 炎症 → ダメージ の悪循環が起きる

頭皮が乾燥すると、
毛穴周りが固くなり、発毛の活動が低下 します。

乾燥ダメージは“じわじわ蓄積”するため、
カラーの回数が増えるほど薄毛のリスクも高くなるのです。


② アルカリ剤そのものが頭皮の刺激になる

色を明るくするために使用される「アルカリ剤」は、
頭皮に刺激を感じる主な原因のひとつです。

  • しみる
  • ヒリつく
  • カサつく
  • フケが出る

といった症状が出る方は、頭皮がすでに弱っているサイン。

弱い頭皮にアルカリ剤を繰り返し使うことで、
慢性的な炎症 → 毛根の弱体化 → 髪が細くなる
という流れにつながる可能性があります。


③ 過酸化水素(2剤)が“酸化”を促進し老化や白髪リスクに

アルカリカラーで欠かせないのが、
2剤の「過酸化水素(オキシドール)」 です。

髪を脱色する強力な作用を持ちますが、
同時に次のようなデメリットがあります:

  • 頭皮の酸化を促進
  • 老化スピードの上昇
  • メラノサイトの負担増(→ 白髪リスク)
  • 酸化ダメージによる慢性炎症

酸化ストレスが増えると毛根環境が劣化し、
髪の成長期が短縮しやすくなる ため薄毛が進行しやすくなります。


④ ヘアカラーは魅力を引き出す一方で“肌が弱い人は薄毛リスク”

ヘアカラーには、

  • 印象が若々しくなる
  • おしゃれ度が上がる
  • 髪の質感がよく見える

などのメリットが多くあります。

しかし、美容師として多くの頭皮を見てきた経験上、

肌の弱い方がヘアカラーを頻繁に行うと、薄毛リスクが高くなる

のは明らかな事実です。

頻度を調整したり、低刺激のカラーに切り替えるなど、
頭皮を守りながらカラーを楽しむ工夫が必要です。


まとめ|ヘアカラーは頭皮の弱体化と薄毛リスクにつながる

  • アルカリカラーは頭皮の油分・水分を奪う
  • アルカリ剤は敏感肌にとって刺激が強い
  • 過酸化水素が“酸化ダメージ”を進行させ老化を促す
  • 肌が弱い人は特に薄毛リスクに注意
  • カラー頻度や施術方法を見直すことが大切

ヘアカラーは悪ではありませんが、
頭皮が弱っている場合は薄毛につながりやすい ため、
自分の体質と向き合いながら適切に対策することが必要です。